『審判』(西ドイツ・フランス 良く分からない) F・カフカの『審判』を映画化した作品。これも夢がテーマではないが、コントラストの高い白黒映像が白昼夢っぽい。3メートル位のデカイ扉や、長い長い影や、荒野に佇む無数の罪人(これはかなり不気味、皆在らぬ方を向いて無表情なのがさらに不気味さを増している)など、何だか空間が歪んでいる感じがする。ヨーゼフ・K役のアンソニー・パーキンスの神経質な演技がさらに不安定感を醸し出している。小説も面白いけれど、映画は映画で面白い(何度観ても飽きない、というか理解出来ない)。