南米あたりの荒涼とした赤土の土地を、貧しい労働者と共に歩いている。何かを採集しにいくらしい。とにかくカラカラに乾いていて、土埃が粘膜に絡んで辛い。しばらく歩くと、彼方に緑の大地が見えてくる。豆か何かの畑らしい。しかしそこは崖の下にある。
 崖の縁に着く。階段や下に降りるための機械があるのでは…と思ったが、そんなものはどこにも見当たらない。どうやって降りるのか、周りの南米人に聞いたら「飛び降りろ」とだけ。しかし、飛び降りて無事でいられる高さではなく、現に倒れて動かない人が崖の下に見える。中には崖にしがみつき、器用に降りていく人もいるが、所詮乾燥しきった土なので、大概は土が崩れて途中で落ちる。「何も考えずに飛び降りろ。大抵は大丈夫だから」と南米人に励まされ、意を決し飛び降りる。途中、こぶにぶつかるが、大した怪我はなく崖下に着く。
 あれだけ乾き切っていたのに、今は有機物の臭いと共に湿気が迫ってくる。緑の何かが密集しているが、何の植物かは分からない。植物なのかすらも分からない。その中で、大鉈を振り回して何かを採集している人達が見え隠れしている。とりあえず、畑ではあるらしい。畑(多分)に入って彼らに近付くと、黒いヘビを背中にしょった籠に放り込んでいた。採集しているものとはこれだった。その他、黒いトカゲ、ゴキブリ、黒くて大きな蟻などを採集するそうだ。自分には出来そうにないなと諦め、畑から出る。崖から飛び降りてくる労働者達が見える。
 そういえば、どうやって崖の上に行けばいいのか。うろうろしていると、何と階段状になっている場所がある。最初からこの階段で降りれば良かったんじゃないか…と拍子抜けしながら登る。でも、誰も降りてくる人はいない。そして、再び崖の上に辿り着く。
 猛烈に腹が減っている。向こうに、飲み屋のような建物があるので近づくと、やはり飲み屋だった。入ると、日系のような顔立ちの女性がいる。鍋にはおでんが煮えている。私のおばあちゃんから教わったんですよと彼女は言う。おでんと、テキーラで腹ごしらえ…してたら目が覚めた。

 治療はまだ続けているが、五時間睡眠では体が持たないので昼用の薬を飲んでから二度寝するようにしている。そうすると、やっぱり夢を見る。薬を飲んでも夢の内容は大して変わらない。上記ような「夢らしい夢」と「現実なのか分からない夢」を見る確率は五分五分なので、寝たくないけど仕方なく寝ている。