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二年前に見た夢。
行きつけの本屋に行くはずが、葬列に加わっている。随分と長い葬列で、列の先頭が見えない。誰の葬列なのか分からず、並んでいる人に聞こうとするが、皆暗い顔をして俯いているので、聞くに聞けない。そのまま、二日間歩き続ける。いつまで歩き続けるのだろうと思い始めた時、漸くセレモニーホールのような巨大なドーム型の建物に着く。ぎらぎらとした、いかにも金のかかっていそうなデザインで、葬儀場らしくないなぁと笑いたくなったが、不謹慎なので奥歯でかみ殺す。式場の入口で、神経質そうな背の高い男が整理券を配っている。「29」と書かれた整理券を係員に渡して式場に入る。祭壇は菊で埋め尽くされ、その上に赤い縁取りの毛沢東タッチでデカデカと描かれた遺影が掲げられている。どうやら、それは中年になった私の顔らしい。「自分の葬式なのか?」と信じられないまま棺に菊を納める番になって、棺の中を覗くと、そこに横たわっているのはやはり私なのだった。二重顎で皺も寄ってしまって、何だかなぁという気持ちで式場を後にする。帰り道、そういえば葬列の中に誰も知っている人がいなかったことに気付き、とても寂しくなった。
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『審判』(西ドイツ・フランス 良く分からない) F・カフカの『審判』を映画化した作品。これも夢がテーマではないが、コントラストの高い白黒映像が白昼夢っぽい。3メートル位のデカイ扉や、長い長い影や、荒野に佇む無数の罪人(これはかなり不気味、皆在らぬ方を向いて無表情なのがさらに不気味さを増している)など、何だか空間が歪んでいる感じがする。ヨーゼフ・K役のアンソニー・パーキンスの神経質な演技がさらに不安定感を醸し出している。小説も面白いけれど、映画は映画で面白い(何度観ても飽きない、というか理解出来ない)。