最近見た夢で覚えているもの。

 夕方、マンションの屋上のようなところにいる。そんなに階数のあるマンションではなく、おそらく二三階建てくらいではないかと思われる。
 職場の人と何人かで、真っ赤な旗のような布を広げている。風が来た時、皆一斉に手を離すと、布は空に飛んでいく。これは縁起担ぎの儀式らしいが厳粛な雰囲気ではなく、ちょっとしたイベントといったノリで行われている。そうやって、何枚か赤い布を飛ばしていると、以前短期間一緒に働いていた人に会い、近況を報告し合う。
 ふと、マンションのすぐ隣にある家に目をやると、先ほど飛ばした布がその家のアンテナにだらりとぶら下がっている。あまり縁起が良くないねと私たちは言い合う。

 職場で接客中、客がジャケットから拳銃を取り出し、無言で私に向かって発砲する。弾は私の右脇腹に当たるが血は出ず、痛みもほとんど感じられなかった。その場にいた他の人は誰もこのことに気付かず、私もびっくりしたもののパニックに陥ることもなく、「まあ、痛くないからいいか」とそのまま仕事を続ける。
 しかし、少しずつ脇腹が痛み出し、見るとエプロンに血が滲んでいる。これはまずいかもな、と思いつつも仕事があるので「まあ、まだそんなに酷くないから、仕事の後に病院に行けばいいか」と悠長に構えている。
 やっと仕事も片付きロッカールームでエプロンを外すと、ワイシャツが真っ赤に染まっている。それを見た上司に「どうしてそんなになるまで黙っていたんだ」と言われ、そこで初めて撃たれた時点で病院に行くという選択を採らなかったことに我ながら吃驚する。とにかく今の時間でもまだ診察してくれる病院に電話しなければと思うが、そうしているうちに気が遠くなり出す。