四部構成の夢。


 10トン(良く分からないが、大型)トラックの後部座席に横になっている。運転をしているのは、mixiの人(誰なのかは特定出来ない。私が持つ個々の人のイメージが混ざり合っている。女の人というのだけは確か)。颯爽とトラックを運転する姿に感心すると同時に、「年下の私が(どうやら相手は年上らしい)寝転がっていて良いのだろうか…?」と申し訳なくなってくるが、寝てしまう。
 目が覚めると、トラックが止まっている。私は起き出して、休憩なさったらどうですかと彼女に言う。そのつもりだよ、と返事をして彼女は運転席から降りる。止まっていた所は父親の実家に向かう途中の田舎道沿いにあるコンビニの駐車場で、他にも大型トラックが二、三台停車している。


 薄暗い小講義室。ゼミでいつも使っている部屋に似ている。私の他に学生が数名座っているが、彼らは私より一つ先輩らしく、私は彼らに敬語で話している。そのうちの一人に、卒論のテーマは何にしたのかを尋ねている。相手は女の人で、最初の夢に出てきた運転手と同一人物らしい。


 田舎の寺のような畳敷きの広い部屋に机が並べられ、所狭しと人が座っている。皆喪服を着ている所から見て、葬式か法事らしい。
 部屋の前の壁には黒塗りの仏壇が据えられている。遺影は恐らく母方の伯母なのだが、仏壇の前には当の伯母が座っている。その隣には母がいる。従姉弟(伯母の子ども)達と何か話をする。


 前の夢と同じ場面、しかし人は全員学生と学者に代わっている。講義が行われているらしい。講義が始まる前にテキストを買うように言われていたのだが、私はケチって買わないでいたので、皆と同じテキストではなく、いつもゼミで読んでいるジジェクの本を持っている。
 講義をしているのは、かのフロイト博士である。写真で見るより眼鏡がゴツいのが印象的だった。フロイトの隣に座っている人もゴツい眼鏡を掛けていた。
 講義のテーマは、恐怖症について。私の隣に座っていた友人が「良く分からない」と言うので、「何かに関して忘れているということは、そのことを隠したいという気持ちの表れなんだよ。それは、自分にとって本当に恐ろしかったことかもしれないし、本当は望んでいるけれどそれに対して罪悪を感じることかもしれない、とにかく自分にとって都合の悪いことだから、隠してしまいたいと思う。でも、隠すこと自体非常に無理がかかるし、隠してしまうことで逆にそこに注意が行ってしまう。それが、恐怖症を生む原因になる、ってことだよ」と説明する。
 フロイトの講義が終わるとも皆彼にサインを求めて並ぶ。私はそんなミーハーなことはしたくないと思っていたが、やっぱりサインが欲しくなり並ぶ。私だけ差し出した本が違うので、「何故君のだけは違う本なのかね?」とフロイトに質問される。「テキストを買いそびれたんです」と私は言う。「私は112歳でね、最近歳のせいか目が悪くなってきた、色の識別が困難になる障害が現れてきたんだよ」とフロイトは言う。112歳にもなっていたことに私は驚く。それにしては随分若いのだ。
 フロイトのサインは、あまり綺麗ではなかった。


 夢だけにフロイト。単純だが意味深だ。寝る前にフロイトの恐怖症症例のレジュメを読んだせいもあるだろうし、最近フロイトの文献に触れる機会が多いせいもあるだろう。
 フロイトがこの夢の話を聞いたら、どう分析するだろうか。
 この夢日記で、丁度100日目だそうで。ますます因縁めいて来る夢だ。