断片

父とブックオフに行く。その途中の車内で、好きな作家について話している。私が、「山川方夫は読んだことある?」と訊くと、「昔は好きだったけれど、今は昔程好きではなくなった。山川の文章は青過ぎる」と父は言う。「じゃあ、内田百輭は?」と言うと、「誰だそれは」と返される。やっぱり百輭はマイナーなんだなと少し寂しくなる。ブックオフについて、文庫の本棚を物色していると、ちくまから出ている百輭集成があった。しかし、タイトルに見覚えがない。貴重本か、と思い幾らするのだろうと裏表紙を見ると、元の価格より高い値段になっていて、「高過ぎて買えない」と本棚に本を戻す。

最近百輭の本ばかり読んでいるので、こんな夢を見たんだと思う。ちなみに父は読書なんてしない人だ。