夢の必要性

夢とは無駄なものだろうか。睡眠から夢を取り除いたらどうなるか。それについてこんな記述がある。

デメントは一九六〇年に、「断夢」の実験という興味深いことを行っている。それは逆説睡眠*1が起こりかけると、すぐにその人を覚醒させ、夢を見させないようにするのである。このようにして五日間の断夢をつづけたあと、自由に眠らせると、逆説睡眠が増加することが解かった。これを「はね反り」現象と呼んでいるが、デメントはこれを人間が夢を必要としており、断夢による欠損をあとで埋め合わせようとしているのだと考えた。もっとも、この点は、逆説睡眠以外に夢をどの程度見るのか、などのことに関連してくるので、軽々しい断定は下せないと思われる。(河合隼雄「夢」より)

夢を見ないとされていたノンレム睡眠時も一応夢を見ているらしいが、レム睡眠時の夢程はっきりとした夢ではないという。断夢の後レム睡眠が増加するということは、レム睡眠時の「はっきりした夢」には、脳の機能において何か重要な役割があるのだろうか。やや古い文献なので、もっと新しい文献ではその辺も明らかになっているかもしれない。また調べないとなぁ。

*1:レム睡眠と同じ