断片(長め)

 レストランで食事をしている。ウェイターが厳かに銀色の丸い蓋(どいういう名前なんだろう)で蓋をされた大皿の載ったワゴンを押して、私が座っているテーブルの横でぴたっと止まる。「本日のメインディッシュで御座います」とウェイターが蓋を取ると、湯気と共に使い古されて茶色く変色した白いヘルメットが現れる。えっ、ヘルメット? と私は吃驚しているが、周りの人々は別に驚きもせず、見慣れた風にヘルメットが切り分けられていくのを眺めている。
 母校の小学校にいる。(このパターンの夢では大抵そうなのだが)私だけが今のままで、小学生時代の友人達は小学生のままである。授業が終わり、友人と一緒に下校しようと昇降口に行くが、私は自分の靴箱がどこにあるか分からない。「こっちだよ」と友人に引っ張られてやっと自分の靴を見つける。「私より10歳位年上なのに、中身はあまり成長しないもんなんだね」と手痛いことを言われる。靴を履いたものの、今度はランドセルをなくしてしまう。それも友人が見つけてきてくれる。「私の10年と、アンタの1年は同じ長さなんだよ。人によって時間の長さは全く違うんだよ」と私は友人に言うと、「言い訳だね」とあっさり返される。
 ヨーロッパの駅から新幹線(TGV?)に乗るが、その際急ぎの用があり、近くのおばさんに「済みません、この荷物を列車に積んでくれませんか?」と頼む。用を済ませて無事新幹線に乗ることが出来たが、鞄がどこにあるか分からない。何せこの新幹線は長い上にデカく、一番後部の車両が日本風の旅館と茶の間、次の車両がバスケットコート2つ分の体育館、その次の車両はインド映画ばかり放映する映画館、他にもジャズライブやリラクゼーションルーム等があり、普通の客席がある車両は3つしかなく、しかもそれがファースト、ビジネス、エコノミーと位分けされている。「こういう黒い旅行鞄を知りませんか」と尋ねようにも、周りは殆どヨーロピアンなので、一体何語を話したら良いかも分からない。一人黙々と徹夜で鞄探しをし、目的の駅に到着する寸前にやっと見つかる。
 「次は○○ー、○○ですー」という日本語のアナウンスが流れ、着いた先は何故か山梨県の物凄い田舎町(山と田んぼしかない)だった。