断片

 アパートの部屋にテラスがついており、天気が良かったのでテラスに出て外を眺めている。雪が溶け、美しい緑の原っぱの真ん中に青々とした葉を茂らせた木立があり、「春だなぁ」と和んでいると、原っぱを黒いスーツを着、透明なビニール傘をさした男がアパートに向かって歩いているのが見える。不思議に思いながらその男を見ていると、男はテラスに傘を放り投げ、自分もテラスによじ登ってくる。そして、「新聞取ってくれませんか」と新聞購買の勧誘をし始める。「来週引っ越してしまうんですよ」と言うと、男は「そうですか・・・」と残念そうにがっくり肩を落とす。
 新しいアパートに引っ越す。母がやってきて、一晩泊ることになる。隣の部屋の住人は、どうやら学生らしい。ギターの音が聞こえる。「ちょっとうるさいけど、家賃安いから仕方ないか」と特に気にせず、そのうち寝る時間になる。部屋の電気を消すが、トイレの電気だけが何故か付いている。ドアを開けると、そこには三人の学生風の男が申し訳なさそうに立っている。「出るタイミングを見失ってしまったので」と断ると、彼らはそそくさとトイレから出て、反対側の壁を押す。すると壁はくるりと回転し、隣の部屋への出入り口となる。私と母が吃驚していると、隣の住人らしい学生風の女が顔を出し、「このアパート、半共同部屋なのよ」と教えてくれる。まあ、安いからそれも仕方がないかと納得しようとしている私達の目の前を、酒を飲んで酔っ払った学生達が行ったり来たりしている。
 テレビで下着泥棒が逮捕されたニュースを見ていたはずが、いつのまにか下着泥棒と警察官と一緒に事件現場を歩いている。下着泥棒は買物籠を載せたカートを押している。「泥棒じゃないんです、病院に入院していた時に、隣のベッドの人に貸したパンツを取り返しに行っただけなんです」と事件現場の病院の前で、泥棒は私に言い続ける。

 一番最後の夢は、自分でも意味不明。