実家の風呂に浸かって、「ああいい湯だったー」と思いながら湯から上がると、脱衣所に踊る友人がいた。しかし、彼女は何故かぽっちゃりタイプで毛むくじゃらのオッサンだった。声と仕草で友人と分かった。
 毛むくじゃらの友人は、「今度の舞台で、メルロー=ポンティ(※1)の『眼と精神』で踊ることにした」と言う。そして、不思議な節を付けながら歌い始める。それは、どうやら『眼と精神』の一部分をそのまま歌詞にしたものらしい。
 その歌に合わせて、友人は踊り出す。脱衣所は狭いから、至近距離で友人は踊っている。胸毛がはっきり見える。
 踊りながら友人は、「大体はこれで良いと思うんだけど、私はメルロー=ポンティについて良く知らないから、この解釈で良いのか自信がない。S先生(私のゼミの先生)に、『眼と精神』にはどんな音色やメロディがふさわしいか、訊いてくれないか」と言う。私はそれを請負う。
 この踊る友人は、何故か現実の姿そのままに夢に現れることは滅多にない。大抵毛むくじゃらのオッサンになっている(実際は、中々雰囲気のある美人なのに)。
 それはさておき、この夢で友人が歌っていた歌が妙に耳に残って離れない。知らぬ間に口ずさんでいたりする。その歌は、どの部類の歌にも属さない。少なくとも、普段耳にするような音楽ではない。でも、何故か違和感はない。
 この歌に限らず、夢の中で聴いた音楽は聴いたこともないのにどこか懐かしさを感じる。小さい頃から、我知らず口ずさむ歌は夢で聴いた歌であることが多い。これは何なのか、今もって良く分からない。

※1 フランスの哲学者。詳しくはこちら↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%AD%EF%BC%9D%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3
 ちなみに、例の踊る友人ではなく、ゼミの友人が卒論でメルロー=ポンティを取り上げていた。それで彼の名前が出てきたのかもしれない。
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