大きな地震が起き、家が半分崩れかかったので、近所の公民館に避難することにした。しかし、このどさくさに紛れて泥棒を働く輩がいるかもしれない。とりあえず、持ち出せそうなものは公民館に持っていくことにした。ガスコンロや鏡台を公民館に運んでいると、父が厚焼き玉子が二つ載った皿を持ってやって来た。そして、さも大事そうに荷物の影に置いて去った。母と弟は洗濯機を運んでいるところだった。私は、そういえば自室にパソコンを置いたままだったことを思い出し、急いで取りに行く。パソコンを持って公民館に引き返すと、父に「今はそんなもの、どうだって良いじゃないか」と窘められるが、私は「これは自分の持ち物の中で一番大事なものなんだ」と言って、厚焼き玉子の上に載せる。テレビでは、地震で滅茶苦茶に破壊された東京の様子が映し出されており、政府主導で緊急対策本部が設置されたことが報じられていた。

 最後の部分が妙にリアルだ。正夢にならなければ良いけれど。