ボブ・サップと友達になる。どう成り行きか知らないが、ボブ・サップに肩車してもらって繁華街を悠然と移動する。見慣れた寂れつつある街並みを見下ろしながら歩くのは楽しかった。雑貨屋に入ると、通路がゴチャゴチャしていて通り難い。汚らしいアクセサリーが飾られた棚の裏側には覚醒剤がパケに入ってぞんざいに売られていた。
 そのうち、ボブ・サップと彼の友人を実家に泊めることになり、自分の部屋に布団を敷いていると、母から「例え友達でも嫁入り前の娘が男の人と一緒の部屋に寝てはいけない」と叱られる。えー別にそんな関係じゃないよ、と言っても聞かず、仕方なく私は母の部屋に寝ることになる。ボブ・サップとその友人には悪いことをしたなと思う。